自分の出逢った布の 由来がわかると
その布が もっと好きになったり 愛おしくなったり もっと知りたくなる。
4月に出逢った トワル・ド・ジュイのキルト。
どの場面を切り取っても ものがたりの様に素敵だったので即決でした。
資料を がさがさ きょろきょろ・・・
ばんざい。ミュルーズ博物館の本に掲載されていました。
(こういう発見は人生の大確幸です^^)
本に載っている とか 博物館所蔵とか そういう事以上に
布のストーリーが紐解けるって こんなに嬉しいものなのですね。
タイトル「6月」
トワル・ド・ルーアン アンリ工場 1825-30年頃
銅ロールの捺染
うふふ。本当に一緒だわっ
しかもこの場面の詳細な記述まである!(うれし涙)
アヌシーのド・ヴァランス夫人(ドが付くので貴族でしょうね)のもとに
滞在していた ジャン・ジャック・ルソーの告白から啓発されたものである。
「私は木に登った。そして彼女らにさくらんぼをなげつけると 彼女らはその種を
木の間越しに私に投げ返した。一度 ド・ガレー嬢は前掛けを前に差し出し
頭を後ろにひいて 非常に良い姿になった。私はきっと見据え その胸に
さくらんぼの一房を落とし そして微笑みかけた」
このさくらんぼうの木に登っているのがルソーで
前掛けを前に差し出しているのが ド・ガレー嬢になるのですね。
2世紀前の布の意匠が こんなに詳細にわかるだなんて なんて楽しいのでしょう。
さくらんぼうの季節だから タイトルは6月なのですね。
静かに素敵な意匠だと思います
天使の写実的な表情や 目の玉の描かれていない人物のモチーフは
古い時代特有なのでしょうか。
テーブルクロスにしちゃおうっと ^^
告白はルソーの自叙伝なのですね。
色々と問題を抱えていたルソーですが,今後図書館で借りてみようと思います。